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大菩薩峠〜小菅村 2012/10月30日


フルコンパ小屋跡付近紅葉真っ盛りの登山道・至福の時間

大菩薩連嶺東側の紅葉は素晴らしく、この日は標高1600〜1300m でちょうど見頃を迎えていました。山頂付近ではすでに枯葉色となり、登山口の赤沢980mでは色づき始めた頃あいでした。
私は大菩薩から奥多摩側へ下りるのは初めてで、登山口の上日川峠には大勢の登山者がいたにかかわらず、小菅コースでは数人のMTBライダーと出会っただけでした。
紅葉の時期限定で平日でも甲斐大和駅からマイクロバスが上日川峠まで運行されていて、高低差300mのラクラク登山です。でも下山は高低差1200mもある長丁場で結構疲れましたが、静かで美しく歩きやすいとてもいいコースでした。
赤沢登山口〜白糸の滝間は林道の崩落があって、その間標識に従い迂回ルートを辿りますが、これが沢と沢に挟まれた危うい道で、残置ロープに導かれ誤って谷底へ下りてしまった私は本日の最難関箇所となりました。 もう一つ悩ましいことは、クマに注意の看板を時折見かけたことでした。

コース&タイム;
上日川峠8:55〜10:00大菩薩峠1897m 10:15〜10:45フルコンパ小屋跡11:00〜12:20赤沢登山口
赤沢登山口12:30〜(迂回路ロスタイムあり)〜白糸の滝(寄り道)13:10〜14:05小菅バス停



甲斐大和〜上日川峠間に平日でもバスが運行される期間は、この年は10/22〜11/22で、詳しくは栄和交通のサイトで確認されたい。 私は8:10の始発バスに乗車したが、補助席まで使用しての満席だった。バスは30人乗り程のマイクロバスである。バスは日川渓谷沿いをゆっくり上って行く。
甲斐大和駅の標高は650m、上日川峠は1600m、およそ1000mもの高低差をバスが稼いでくれる。上がるに連れて広葉樹がぐんぐん色づいてくるのが楽しい。 時折大きなイチョウが標高の低い場所だったが、まっ黄色に輝いていて車内に歓声があがった。 栖雲寺(サイウンジ)で数人のハイカーが降りた。この寺もそうだが、この沿線は武田家ゆかりの場所が多い。そこは竜門峡ハイキングコースの入口でもある。

終点上日川峠まで乗車時間はおよそ40分、渓谷の左岸右岸を入れ替えながら、ダム底を通過し、左岸山腹を巻いて進む車窓からの景色は素晴らしいもの、だが寝ている人が多かった。終点一つ手前の小屋平で半数程の客が降りた。 そこは石丸峠への登山口で、峠からさらに東に延びる尾根牛ノ寝通りは紅葉の名所、そちらを目指すハイカーが多いのだろうか。だがこのコースは長い。
バス終点の上日川峠はハイカーで賑わっていた。広い駐車スペースがあって車利用で近辺を周回するハイカーが多いのだろう。ツアー登山のマイクロバスも止まっていた。
私はこの場所は三度目、道は周知しており周囲を観察するまでもなくトイレを済ませて直ぐに歩きだした。 福ちゃん荘まで舗装路が通じているので山道を通らずに歩きやすい車道をさっさっと進む。上日川峠がちょうど見ごろだった紅葉は標高が上がるに連れて枯葉色となる。 車高の高い小型の四駆なら山頂まで到達できそうな広く整備された登山道を一気に登り、大菩薩峠へあっけなく着いた。

江戸期の五街道の一つ甲州街道、青梅から塩山へ抜ける青梅街道はその裏街道として利用され、この大菩薩峠を経て通じていた。当時の峠は現在よりもやや北側に位置していたと云われる。 柳沢峠を経る現在の青梅街道は明治期になって開通したものである。
峠から奥多摩方面へ少し下ると荷渡し場という地名が残っている。奥多摩地区と甲府盆地の物資交換場所だったのだろうか? 奥多摩の丹波と小菅の両集落もこのルートで交流していたのかも知れない。
峠から南に辿ると、小金沢連嶺縦走路となり、湯の沢峠を経て延々と山並が続き笹子峠へ落ちていく。
北へ辿ると、大菩薩連嶺最高峰の大菩薩嶺2057mを経て丸川峠へ至る。裂石登山口〜上日川峠〜大菩薩峠〜大菩薩嶺〜丸川峠〜裂石登山口と周回するコースはポピュラーなもので、私も歩いた経験がある。
峠には中里介山にちなんだ介山荘が建つ。客扱いが丁寧で評判の良い予約制の山小屋である。夜景が素晴らしいこともあって、私も利用を検討したが、いかにも時間が余ってしまうのだ。

峠の人影は薄く、上日川峠にいた大勢のハイカーはどこへ行ってしまったのか?
この日は山頂部の視界が悪く大変寒かった。山頂に長居する気もせず、早々に下山コースに入る。今日は下山コースこそ私にとってハイライト。100mも下ると早くも表側(塩山側)と違った好ましい山道となった。
緩やかながら下り一方の道は確実に高度を下げ、木々の色づきが濃くなってくる。荷渡し場の標識がある場所からは小菅川源流へ下る道が分かれていた。地図に記載がない道である。
さらに下ると小広場に出た。フルコンバ小屋跡である。この風変りな名前のいわれを私は知らない。標高1600mで紅葉はそろそろ終わりの頃合い。 北側が開け、石尾根〜雲取〜飛竜〜唐松尾と並ぶ奥多摩の山並、だが主稜線の標高がほとんど横一線の奥多摩の山々を区別するのは私には難しい。
マウンテンバイクを担いだ若者4人が上がってきた。明るい青年たちだ。塩山側に下ると云う。たしかに快適な下りだろう、だがその後どうするのだろう、下山地にも車をデポしてあるのだろうか?気になったが確認していない。
丹波山村(タバヤマムラ)方面はここから左に折れ尾根通しに進む。小菅村は山腹を斜滑降の要領でどんどん東に下って行く。

赤沢まで下ると舗装された林道が小菅川沿いに小菅村へ通じている。だがすぐ下流で大きな崩落があって現在復旧工事中、車両は進入禁止で人は迂回路を通る。
看板の支持に従い橋を渡って迂回路に入る。このルートは沢と沢に挟まれた狭峻な難路で、一般登山道とはとても思えない、やむにやまれぬ迂回路で、きわめて危うい道だった。 私は残置されていた古いロープに導かれて小菅川谷底に降りてしまい、その先下流で行き詰まり、登り返すのに一苦労した。本来のルートに戻り、沢を一本越すと小菅川右岸に出て、ようやく一息つくことができた。
吊り橋を渡って林道に戻り、途中白糸の滝を見学する。流れの細い滝だが落差があって垂直に落下し、なかなか立派である。1週間もすれば色づきの増した周囲の紅葉に映え、より美しい滝となるのだろう。
小菅から奥多摩駅行きのバスは3時間に1本、乗り遅れると大変だ。いきおい時間に余裕があっても急ぎ足となる。滝から1時間足らずで村の入口に着いた。明るい集落だ。 家々の納屋にはマキが積まれていた。野菜などの食材や雑貨品などを満載した小型トラックが音楽を流しながらゆっくり移動していく。
バス停の直前で酒屋を発見した。余談ながら、同じ山梨県の奥多摩集落で山を隔てて北側の丹波山村では、バス停の少し先(下流側)に酒屋がある。
30分程の待ち時間をバス停裏側の小菅川護岸に腰掛けて私はのんびりビールを飲んだ。

2012/11/13 記

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