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丹沢檜岳山稜  最高点1177m  2004/12/24


  
    左から伊勢沢の頭、檜岳、雨山(シタンゴ山頂より)     稜線からの眺め、左奥に御正体山


コース ; 寄大橋(ヤドロギ)〜雨山峠〜雨山〜檜岳〜伊勢沢の頭〜秦野峠〜寄大橋
所要時間;6時間

丹沢鍋割山から西へ伸びる支尾根は雨山峠で一旦高度を落とし、再び西南方向に高度を上げ小さな山稜を形成する。
雨山・檜岳(ヒノキダッカ)・伊勢沢の頭の三頭峰を経て秦野峠に至る檜岳山稜である。
ダッカという呼び名は寄集落の方言なのだろうか、そう言えばシダンゴという変わった呼び名の山も近くにある。
この山稜は最高点でも1200m 足らずの低い山並みであるが、松田町を流れる中津川と山北町の玄倉川に挟まれた町境尾根となっていて、明るく賑やかな表丹沢と、静かで落ち着いた西丹沢とに丹沢山塊を分割している。
玄倉林道が開かれる以前は、丹沢奥地への登山基地であるユーシン方面へ抜けるには、玄倉からこの山稜西側の山神峠を越えて長い道程を辿るか、雨山峠を越えて行く以外に道がなかった。
このように、丹沢山塊の中心に位置しながら、何故か今でもこの山稜は登山者から見捨てられているようだ。
私の手持ちの古い丹沢登山地図(日地出版)には、この山域には破線ルートさえ記されていない。
だが、同じく手持ちの古いアルペンガイド(山渓社)には、ルートが記されている。私はこの山域に足を踏み入れたことがないだけに、以前からどのような所か気になっていた。
そこで、今年の登り納めに、久しぶりの丹沢〜檜岳山稜を歩いてみた。
思いがけず素晴らしいコースで、得をした気分となった。

大船の自宅出発が6:15 やや出遅れてしまい、相模川を越えるのに手間取り、寄大橋に到着したのが8:45 、所要時間が読めないので8時までには到着したかったが、だいぶ遅れてしまった。
小田原厚木道路の側道を経由したが、帰りに利用した西湘バイパス経由のほうが早かったかもしれない。
寄大橋は赤に塗られた鋼製ローゼ橋で、山奥の林道の橋としては立派で大橋の名に恥じない。二車線幅が充分ある。
寄大橋周辺の駐車スペースは、橋の手前に5〜6台・橋を渡って、ゲート手前に5〜6台分ある。トイレは橋を渡らずに雨山峠方向へ10分ほど歩いた管理棟付近にある。

駐車地を9:00 に出た。
車止めゲートを抜け、寄沢左岸(右手)に沿ってしばらく車道を歩き、林道終点から標識に従い右方向の山道に入る。
鹿避けフェンスを潜り、堰堤上流部に抜け出し、沢を渡渉し今度は右岸(左手)を行く。
こうして、ルートは寄沢を数度渡り返すのだが、渡渉箇所に丸木橋が架設されているとは限らないので、実にわかりにくい。渡渉箇所を見落として沢筋を遡ってしまうと、堰堤に行く手を遮られてしまうのであろう。
沢を越して対岸のルートに入る地点では、ペンキ・テープ・踏み跡・ケルン等を慎重に見極めたい。
河原から本流とコシバ沢に挟まれた痩せ尾根への取り付地点にガレた鎖場がある。見た目は急峻だが、短いので見かけほどのことはない。
この先、崩落地に新しい鋼製桟橋が架設されている場所もあるが、古い桟橋が落ちたまま未整備の場所も2ヶ所あり、通過するのにいささか緊張した。
雨山峠への詰めの登りは、涸れた小沢を辿り、梯子を上り終了した。
雨山峠までは変化に富んだおもしろいコースなのだが、水量が多い時期には大変苦労しそうで、危険でもある。
出発してから1時間50分、10:50 に雨山峠に着いた。だいたい標準タイムのようだ。
雨山峠は小さな鞍部で、そのまま直進乗越し下る道は玄倉林道ユーシンへ、右へ上がる道は鍋割山へ、左が目指す檜岳方面である。
展望は僅かに西側が開け、富士山が望まれる。また、鍋割り山方面の険しい稜線が間近に迫る。腰掛テーブルが1脚設置されていたので、10分ほど休憩した。周囲は静寂そのものである。

雨山へは朽ちた丸太の急階段を20分ほど登り、息が弾むころにようやく傾斜は緩んできた。
これから先は、伊勢沢の頭まで、適度なアップダウンの快適な稜線歩きだ。
冬枯れのこの季節は、振り返ると梢の隙間に丹沢核芯部の不動の峰・蛭ケ岳・檜洞丸へ連なる山並みが垣間見える。檜洞丸はちょうど同角の頭と重なる位置にある。山頂直前に西丹沢・道志方向の眺望が開ける場所がある。
雨山には峠から30分の11:30 に着いた。林に囲まれた静かな山頂である。林を抜けて山頂の東端へ出ると、足元の寄の集落から松田の町並み、そして相模湾の眺望がすこぶる良い。私はこの場所が気に入り昼食休憩としたかったが、出足が遅れたために残念ながら僅かな休憩で先を急ぐことにした。
檜岳へは一旦下り、同じ位上り返す。だが、たいした高低差ではない。
この辺の道は元々踏み跡が薄いうえに、この時期は落葉が覆い判然としない。尾根をはずさぬ様に適当に木立を縫って進む。落葉を踏みしめて行くのが大変快適である。土が露出している場所では霜柱が立っているが、当日の気温では解けだすこともなく、従ってヌカルミもない。霜柱には先行者の踏み跡もない。
要所要所に古びた道標があるので、さして不安は覚えないで済んだ。
檜岳山頂には12:10 に着いた。
ここは雨山より山頂らしい雰囲気がある。たおやかで広い。古く苔むした腰掛テーブルが5脚設置されていた。最高点は林を東に少し上がった地点にある。ここで菓子パンとコーヒー牛乳の軽い昼食を取った。
山頂で20分ほど休憩し、伊勢沢の頭に向かう。緩やかな下りで、じきに鹿避けのフェンスに沿った道となる。西側が伐採されていて、苗木に白い筒がはめられ鹿から防護されている。フェンスが目障りではあるが展望が開け気持ちの良い尾根道である。
やがて上り返し、山神峠(サンジントウゲ)からの小道を合わせて伊勢沢の頭に着いた。この山頂は気付かずに通り過ぎてしまいそうな小さな変わり映えのしないピークである。
ところで、この山稜の最高点は、地形図ではここ〜伊勢沢の頭〜1177mであるが、私の持つ古い資料ではここの標高は1140mで大分これより低い。実際、表尾根側から眺めると、雨山1166mと檜岳1176mはほぼ同等(古い資料では夫々1169m,1167m)、伊勢沢の頭は明らかにそれより低い。地形図に記載された標高はこの山稜3山については誤りで、古い資料の標高が正しい気がする。

伊勢沢の頭から秦野峠までは始めのうちこそは緩慢な傾斜だが、その後急な下りの連続で、実際の時間より長く感じた。
正面に箱根や伊豆・愛鷹の山々など、なかなか好展望である。
所々で林業の作業用通路が錯綜して迷いやすいので、降り始めに秦野峠への方角を確認しておいたほうが良い。
降り立った秦野峠は旧峠で、こことは別に林道の秦野峠があるようだ。峠着13:40。
峠の道標はシタンゴ山を指していて、地形図に破線が記されている寄方面への行き先表示は何もない。道標に従うのが正しいルートで、林道(一般車通行不可)の秦野峠に出るようだ。
私は僅かな踏み跡を頼りに、寄方向へ進んだ。途中から下方に舗装された林道が見えた。ところが、この踏み跡は一向に林道へ降りる気配がない。
辛抱できなくなった私は、林を掻き分けて道もない山腹の急斜面を強引に林道へ降りてしまった。それから舗装された車道を1時間弱下り、寄大橋を渡り、駐車地に15:00 少し前に着いた。
  
no.6 雪の八方尾根 , no.5 檜岳山稜 , no.4 よもぎ平