HOME

いたち川の風景


横浜市栄区のシンボルいたち川、川に近い笠間の一画に転居して20余年、私は飽きることなく朝に夕に川と接し親しんできた。
その間に多くの人と知りあい、そしていつのまにか見かけなくなった人も少なくなかった。
近頃、川沿の笠間町公園で、一人の男性が携帯ラジオに合わせ毎朝体操をしていたところ、三人四人と仲間が増え、今ではラジオ体操の一団が出現した。コミュニティーがまた一つ、この川沿いに生まれたのだ。




  いたち川は栄区と磯子区・金沢区・鎌倉市との境界に広がる丘陵森林を水源とし、東西に細長い栄区を貫流し、タツノ横浜工場の先で柏尾川と合流し片瀬海岸に注ぐ。30年前までは三面コンクリートの排水路と化していたいたち川だが、その後の復元工事によって復活した。
流程わずか8Km程の支流だが、上流では川本来の蛇行する姿が保全され、鯉や小魚が群れ泳ぐ清流で、人口密集地にあっては貴重な水辺として住民や鳥たちに憩いの場を提供している。
両岸には遊歩道が整備され、住民の手による花壇に四季折々の花が道を彩る。川辺を散策する者や花壇を手入れする者との間で花談義が毎朝のように交わされている。
また、区役所裏の淀みで筏遊びなど子供の川祭りを催すグループ、川辺を清掃するグループ、鯉のぼり・七夕飾り・クリスマス飾りなど歳時記を演出するグループなどなど、川が取り持つ縁で多くの市民活動が広まった。
還暦を過ぎた私は行動範囲が狭まって、今は中流のいたち川橋〜天神橋間をもっぱら歩いているが、現役時代は上流の尾月橋までジョギングで往復したり、休日には源流の横浜自然観察の森や瀬上池まで足を伸ばしたりして、いたち川を隈なく歩いた地元民の一人なのである。
ところで、いたち川を散策する人々は概ね次の三種族に分類される。体力増強を目指す健康志向族、犬の散歩族、そして暇つぶし族である。
私はかつて三種混合の雑種族だったが、近年は暇つぶし族へ純化してきた。暇つぶし族のグループは多数存在し、私はそのうちの一グループと親しい。
だが入会には若干の壁がある。メンバー全員が喜寿を超え、中には米寿を超えた人もいる大先輩たち。
蓄積された経験を背負った軽妙洒脱な話の輪。その輪に加わることに引け目を感じるのだ。入会資格としてそれ相応なる年輪が必要なのです。
公園のラジオ体操には時間の制約があって、現在私は毎日は参加できないでいるが、いずれは常連になりそうだ。
みんなに愛されているいたち川、これから団塊世代が高齢者の仲間入りし益々賑わうのだろうか。



サイト内関連記事いたち川散策

2014.03.26 掲載

no.12 日向薬師へ , no.11 いたち川の風景 no.10 鋸山へ