山野紀行HOME




2009/01/07初登り 鍋割山 山頂から相模湾望む

コース&タイム;二股8:10〜9:00後沢乗越し9:10〜10:10鍋割山11:00〜小丸11:25〜12:50二股
所要時間;4時間40分、歩行時間;3時間40分

2009初登りは、息子と丹沢鍋割山1272mの山頂小屋で鍋焼きうどんを食す目論見。
当日西沢林道を強引に奥まで車で入りましたが、道が悪く一般的にはお勧めできません。 車利用の場合、四十八瀬川対岸の県民の森パーキングを利用した方が無難なようです。



我々が山頂に着いたのは、鍋割山荘主人〜草野さんがローカルTVの若者スタッフ二名を従えて山頂到着した直後だった。
息子はその担ぎあげた荷の大きさにびっくり仰天していた。大型冷蔵庫を担いできたのかと思ったと云う。その荷揚げの道中を撮影することが取材の目的のようだ。
撮影機材を持たないTVスタッフの片方は、水20Lとマキで合計約40kgを背負ってきた。その背負子を息子と二人で持ち上げようとしたが容易に上がらない。 スタッフも荷揚げを体験することで番組を大いに盛り上げる算段なのだろうが、彼らも実際大変であります。
私は山荘に入り荷を解いていた主人に登山口から息子が担いできた水2Lを渡し、少なくて申し訳ないと云うと、丁寧に礼を言われました。 登山口にたくさんの水が入ったペットポトルが用意されていて、登山者の好意によって担ぎあげ、山頂小屋の水不足を補っているのである。
次いで私は鍋焼きうどん2ケを注文したところ、たちまちにしてイヤな顔をされてしまいました。
「急ぎませんのでどうぞ一段落し一休みしてからお願いします」あわてて付け加えたのでした。 そして私は主人の顔つきに怯むことなくカンビールを購入し、ゆっくり外のベンチで大展望を楽しみながら喉を潤おす。
「できました」との呼び声に、二人は素早く土鍋が乗ったお盆を持ってコタツに入り、アツアツのうどんを食そうとしたその時、 TVビデオカメラが近寄って来、うどんと我々の表情を交互に捉える体制を取ったのでした。そして、
「鍋焼きうどんを食べてる様子を撮影させてください」と許可を求めてきた。
小屋の中は、主人と取材スタッフ、そしてうどんにありつく我々親子だけだ。荷揚げ以外になにかいいネタはないかと物色していたスタッフにとって、我々は格好のターゲットだ。
「どうぞ、でもついカメラを意識してしまいなんだか落ち着きませんね」私は了承した。
「カメラは無いものと思い、普段通りにお願いしますね」
「ところで、何故この山を選んだのですか?」
「正月の終わりは鍋割山で鍋焼きうどんでしょう、やっぱり!息子を誘って登って来ました」
「鍋焼きうどんに誘われました」息子が嬉しそうに同調した。
スタッフ氏、この私たちの答えを大いに喜び、カメラをズームインし、マイクをセットし直して
「今のセリフをもう一度お願いします」と強要するのだった。
ところでこの鍋焼きうどん、土鍋に野菜天ぷら・キノコ類・なると・お揚げ・たまご等を甘口の汁で煮込んだ本格派で、実に旨い。
「そんなに旨いですか?」
「取材が済んだらぜひ食べてって下さい。丹沢を歩くハイカーで鍋割山荘の鍋焼きうどんを知らない人はいませんからね」
「なにせ自分たちは昼の弁当を用意していないのですよ、鍋焼きうどんを目当てにしてここまで上がってきたのですから」
その時、山荘の主人が初めて口をはさんだのでした。
「そういう登山者が時折いて困ります、この小屋は年中無休というわけではないのですよ、休む日もあるので弁当は用意してきて下さい」
山荘の主人〜草野さん、なんだか嬉しそうでした。
TVスタッフのインタビューはまだまだ続きましたが、その後小屋の主人が横入りすることはありませんでした。


2009/01/11 掲載

no.11 生藤山〜陣馬山 , no.10 鍋割山 , no.9 箱根神山〜駒ヶ岳周回