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青春18キッツプで行った山 奥久慈男体山  654m  2004/09/01



※ 2011.03.11 東日本大震災の揺れで、この山域は部分的に崩落があったようで、登山道もその影響を受けた個所があるようです。この方面を計画される方は事前に調べておいた方がよさそうです。(2011 5月追記)


    
      奥久慈男体山の威容                   登山口水郡線西金駅


青春18キップを利用して、茨城の奥久慈男体山に登った。
日本海を縦断した台風16号が通過した直後の9月1日、猛暑の中であった。

奥久慈男体山は久慈川の中流域に位置する。
中流でも奥久慈と名が付くのは、この男体山から袋田、さらには矢祭山にかけての中流域が久慈川の流域で最も山深い地勢にあり、その上流部はかえって田園地帯で、明るく開けることによる。
久慈川は、平行して流れる大河、那珂川の陰に隠れて目立たない存在だが、なかなか風情ある川である。
車窓から鮎の釣り人が点々と見受けられた。

上野を5:10の常磐線始発電車に乗り、水戸駅で水群線ディーゼルに乗り継ぎ、西金駅(サイガネ)下車、8:40大円地の登山口へ向かった。
登山口の少し手前でようやく男体山の威容が姿を見せた。
およそ1時間で登山口の小さな集落に到着した。山里の懐かしい原風景である。
民家の脇を抜け、岩場を直登する健脚コースを左に見送り、一般コースを辿ることにした。
大円地越と呼ばれる峠の手前で、水戸在住の単独ベテラン男性に追い着かれ、山頂までご一緒させていただいた。
その先輩から、この山域のコース状況や茨城の山の情報を教えてもらうことが出来、大変ありがたかった。
大円地越から右へ岩峰群をたどる道は嘗て修験者の行場で、経験者向きの嶮しいコースだが、この時期はさらに藪で難儀するとのことであった。
この岩峰群は先ほど麓から見上げた際に、私はその荒々しい姿が印象に残り、上州妙義山を思い起こした。
入道岩・かつら岩・鷹取岩などと名付けられた尖峰が屹立している。標高500mほどの山々である。
これらは総称して、奥久慈岩稜と呼ばれている。
奥久慈の山々を見て、標高だけで山の評価はできないな、とつくづく思った。
男体山へは東屋がある峠を左に登る。登山口から山頂まで90分ほどであった。
当日は登山口手前の駐車場に登山ツアーのバスが1台到着し、多くの客が乗っていた。
また、平日にもかかわらず健脚コースからの周回登山者数組とも出会った。
さすがに茨城県では筑波山と争う人気が高い山である。

山頂にはNHKの小規模な中継施設と小さな祠があった。
たいして広くはない。周囲は丘陵が連なる。南側はスパッと切れ堕ちた絶壁である。
私は山頂で展望を楽しみながら30分ほど休憩し、予定した列車に間に合うように一人山頂を後にし、袋田への縦走コースから分岐して上小川駅方面へと下りた。
このルートは悪かった。藪が深く、おまけにイバラであろうか、棘のある植物が多いのには閉口した。
薮が茂るこの時期はメインルート以外あまり歩かれていないようである。
下山道は男体山神社で終わり、そこからは灼熱の車道を延々と歩き、とうとう水切れを起こしてしまった。
低山歩きにはまだまだ季節が早すぎた。ハイキング所要時間;5時間。
この山域は、晩秋から早春にかけて、男体山から袋田の滝へ縦走するコースを取るのが最良のようである。

駅前で購入した缶ビール500mlを駅で一気に飲み、その後も水分を取り続けたが、脱水症状は翌日まで持ち越してしまった。
この後上小川駅14:20 発の水群線で郡山へ出、東北線を乗り継いで都心へ戻った。
長〜い一日であった。家を出たのが深夜の3:40、家にたどり着いたのは22:00、行動時間は18時間を超えていた。

タイムデータ
 =8:35JR西金駅8:40〜弘法堂入り口9:30〜大円地登山口9:50〜大円地越10:40〜11:20山頂
山頂11:50〜長福方面分岐12:00〜男体山神社12:40〜国道118号線滝倉入り口13:40〜13:50JR上小川駅14:20=
 所要時間;5時間10分



青春18キップと山旅

 青春18キップとは、JR全線普通列車(快速も含む)が1日乗り放題のキップが一枚に五日分セットされていて 、5人一緒に一日で使用してもよいし、一人で一定期間内に五日分(連続しなくても良い)使用してもよい、季節限定販売キップのことである。
売り出しは春・夏・冬の年3回あり、利用期間はそれぞれ40〜50日位である。
値段は1枚11,500円、1日当たり2,300円の計算なので、利用者の工夫次第で利用価値を大きく高めることができ、またJRダイヤ作成者との知恵比べが楽しいキップでもある。
我が遊び仲間、山温会の一員であるS.N氏は鉄道愛好家で、このキップを利用してJR全線制覇を試みており、残すところ僅かに九州と北海道のローカル線のみとなったようだが、これからが最難関のようでもある。

私はS.N氏に触発され、このキップを登山に上手く利用できないか研究したことがある。
一応、1泊以内・その他の交通費は最小限に・JR通常運賃換算で2倍以上利用すること(4.600円以上 / 日)を条件とした。
この条件を設定しなければ、このキップを利用する意義が薄れるし、車を利用した方が経済的にも体力的にも有利となりそうだからである。
JR運賃4,600円以上は、日帰りの場合およそ最寄り駅から半径120km以遠が対象地域となる。
私の場合は、清水、甲府、渋川、水戸を結ぶラインより遠方ということになる。
プランを立てるためには地図と時刻表が必需品である。
ハイキング所要時間の調査はインターネットを利用する。
まず地図でJR線から遠く離れていない目ぼしい山をピックアップする。
次にその最寄り駅まで最短での到着時刻を調べる。
ネットでコースタイムを調べる。
復路の列車時刻を調べる、等々。

地図と時刻表に首引きでこんなことをしていると、時間の経過が早い。
私が研究した限りでは、青春18キップを応用できそうな山は案外数少ない。
その僅かの中に今回の奥久慈男体山が含まれている。
今後熱心な研究者が現れて、その成果を公表してくれることに期待したい。

          2004/09/05  記

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