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奥多摩 笹 尾 根   2016/11/4


軍刀利神社元社 960m からの眺め、西側が開けている


コース&タイム;
上野原8:30=富士急バス=8:52井戸
井戸8:55〜9:30軍刀利神社9:40〜10:20元社10:40〜熊倉山10:55〜11:40浅間峠
浅間峠12:00〜13:00土俵岳1005m 13:20〜日原峠13:30〜檜原街道14:30〜14:55上川乗バス停
上川乗15:06=西東京バス=15:55五日市駅
所要時間;6時間、歩行時間;4時間50分

山梨県の上野原から東京都の檜原村へ歩く

笹尾根は奥多摩の三頭山を頂点とし南東方向に派生し、東京・山梨・神奈川の県境に位置する三国山へ至り、さらに方向を東に変え和田峠に下る長大な尾根である。
適度なアップダウン、豊かな植栽、そして静寂。長大な尾根にして1000m前後の高度を維持し、四季折々の風情に触れることのできる、高齢者向け渋ーいコース。
笹尾根を奥多摩に含めるかどうか迷うが、三頭山の主尾根であるので奥多摩山域とした。
紅葉シーズンの秋晴れの一日、近辺ハイキングコースの賑わいはバスの混雑で察することができたが、この笹尾根は忘れ去られたような静けさだった。
一日で縦走することは私の脚力では無理で南半分を探訪し、山梨側のバス便は極端に少ないので山梨側から登り、バス便の多い東京の檜原村側に下るプランとした。



高尾始発の中央線河口湖行き車内は通学の高校生でごったがえしていた。
都内からわざわざ山梨県へ通学とは、どこの高校だろう? 
私の下車駅上野原で生徒たちも下車、階段・通路は高校生で溢れんばかり。
狭い駅前ロータリーには6台の富士急バスが所せましとアイドリング中、高校生たちは分散してバスに吸い込まれた。 バスの行き先表示には日大明誠高校とあった。
上野原駅では全てのバスは北口の発着である。ところが袋小路で猫の額の広さの発着場。バスは何度か切り返して方向転換する。
横一列に並んだ通学バスが一般客と接触しそうになりながらギリギリハンドルを切り、90度回転して順次出て行く光景は壮観だった。
その後各方面行きのバスは8:30一斉に出発する。生徒を送ったバスが一斉に戻って折り返すのである。
バス誘導員の詰所にはたくさんのハイキングマップが用意されていて、スクールバスが出て行くと誘導員のおじさんはハイキングコースの案内人に早変わり。
この日はたくさんのハイカーがバスを待ち、JR駅長もハイキングコース案内人に加わった。
初めて訪れた地方の駅は何かと面白い。

登山口の井戸集落、懐かしい山里の風景、冠雪した富士山も姿を見せる

ハイカーのほとんどは飯尾行きに乗車。この路線には奈良倉山、槇寄山、坪山、権現山などのコースがあり、ハイキングバスのゴールデン路線である。
私が乗った井戸行きは中高年男性単独ハイカーが四人、山行のスタイルが皆同類項らしい。そのほか途中で降りた通勤客らしき三〜四人。 ハイカー一人は石楯尾神社で下車し、残る三人が終点の井戸まで乗車した。
井戸は山里の20〜30戸ほどの集落である。
バス停のベンチで身支度、秋晴れを互いに喜び合って、さして支度がない私はすぐに出発した。
上野原のバス詰所で笹尾根付近の手書きマップを手に入れたおかげで登山口の軍刀利神社へ迷わずに進む。
道すがら写真愛好家が一眼レフを首からブラ下げ、山里の被写体を物色していた。

パワースポット、軍刀利神社

街道を進行方向に進み、旧道と合流した集落のはずれを右に折れ、軍刀利(グンダリ)神社の参道に入る。
狭い道だが舗装された車道である。
鳥居を潜り配水施設が右に、その先左に社務所がある。集会所を兼ねているようで広い造り、だが人の気配がしない。5〜6台の駐車スペースが設けられている。 元旦など、賑わう時もあるのだろうか。
社務所の少し先、古い急な石段を登り社殿がある。小規模ながら、霊気漂う境内である。
神社の由緒に延徳年間建立とあるので、室町幕府の頃か? 名前の通り戦の神で、武田家や小山田家の守護を得たとある。 祭神は武勇伝に事欠かない日本武尊(ヤマトタケルノミコト)、社殿の横には大太刀が据えられている。
いつまでも戦の神では平和な世にそぐわないので、今では縁結びの神とされている。
神社の裏手を進み参道と合流し、さらに6〜7分登ると奥ノ宮が鎮座する。社の前には大桂(カズラ)が聳えている。縄文杉のような幹。パワースポットに相応しい。
此処から本格的登山道となる。

1000m稜線でようやく色づき始めた落葉樹

登山道はジグザグと切られ、徐々に高度を上げる。針葉樹が多い。
直に元宮へ直登するルートが分岐し男坂と記されていた。
このルートは手持ちの山と高原社の登山地図には記されていないが、手書きのハイキングマップにはちゃんと記されていた。見るからに急峻で危ういルートである。
三国山への分岐で左折、ジグザグ道から山腹の巻き道となり落葉樹が増え、傾斜は緩むものの落ち葉で道が隠れてしまい、道筋を外さぬように慎重に進んだ。
小さな鞍部で稜線に乗る。ここは三国峠920m。国土地理院地形図が差す三国峠は明らかに970mピーク、そこは三国山の誤りである。
三国峠から三国山まで往復40分、景色のいい場所なので立ち寄りたいが帰路バス時刻に間に合わないと大変だ。
軍刀利神社元宮まで僅かな登り。小さな社と鳥居がある。この鳥居は山岳写真家の白旗史朗氏が寄贈したもの。
山頂の西側に素晴らしい展望(ページTOPの写真)が開ける。

小さなピークを越して966mの熊倉山。展望はないがベンチが置かれた休憩場所。
熊倉山から一旦150mほど高度を下げ、アップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げていく。浅間峠の少し手前から稜線の東側を巻く。
この辺りはモミジが群生し紅葉は見事と思われるが、この日は未だ早かった。
浅間峠には東屋があり、ベンチも多く大休止に適当な場所。上野原側、檜原側両方面と繋がる笹尾根の要所である。
ビニールケースに納まった檜原側の路線バス時刻表が目立つ場所にぶら下がっていた。
5〜6人の男女高齢者グループが休憩中で賑やかである。私は少し離れたベンチで簡単な昼食とした。

土俵岳からは東側が伐採されていて、大岳山(写真)〜御前山の眺めが広がる

840mの浅間峠から少し高度を上げて905mの日原峠へ。平坦な場所で標識がないと気付かない。日原(ヒハラ)は山梨県側の麓集落名である。笹尾根一帯は難読な地名が多い。
日原峠から本日コースの最高峰土俵岳1005mまで一頑張り。眺望に恵まれない笹尾根にあって、この山頂は奥多摩の山々を展望できる貴重な場所である。
日原峠へ戻り檜原街道へ下るコースに入る。和田と上川乗の間に出る道で登山地図では実線記載、実際に歩いてみると薄い道である。
峠から10分下る水場までははっきりした道。 その先は一足幅分の踏み跡があるだけ、倒木も多い。初めて歩くコースなので心細いことこの上ない。
やがて林道延長の工事現場に出て道を失い、林道沿いに下ろうとしたところユンボのオペレーターが私に合図し正しい方向を教えてくれた。
秋川を小さな橋で越えて、檜原街道に出た。
この取りつき点には標識も目印もなにもない、単なるガードレールの切れ目の所。下山者は辿りついても、山頂に向かう者は入山点を発見することは難しい。 なるほどこのコース、廃道寸前となる訳である。
最寄バス停は上流側だが私は誤って下流へ歩き出してしまう。次のバス停の上川乗まで結構な距離があり、バス時刻に追われて私は駆け出さざるを得なくなった。
バスは90分に1本しかない、乗り遅れると大変である。
この区間は自由乗降区間だったことを乗車してから知った。

結局間に合ったが、数馬から下ってきた小型のバスはハイカーで満員、身動きとれないまま五日市駅まで50分、疲れた体で堪え続けたのです。
五日市線〜青梅線〜南武線〜横須賀線と乗り継いで大船まで大移動。
いくらいい山が多くとも、頻繁に出かける山域ではないようです。

2016/11/11 掲載

no.30 , no.29 笹尾根 , no.28 赤岳