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北アルプス 燕 岳 2763m 2012.07.26〜27


燕岳山頂(左奥)


夏の燕岳(ツバクロダケ)と燕山荘(エンザンソウ)は大人気です。 小屋は大混雑、私は遅い到着の単独男用にあてがわれた大部屋の5〜6人区画を指定されましたが、その後着いたのは1人だけ、広い区画に結局2人で、くつろぐことができました。
私の夕食時間は7時、時間まで外で北アルプスの山々と対峙し、静かにビール・酒を飲んでおりましたところ、広場は大衆酒場のごとくにあちらこちらで盛り上がり、騒々しさは増す一方なのでした。
夕食時間にはオーナーがアルプホルンを演奏いたしましたが、おざなりの感は否めませんでした。

翌朝山頂でご来光を迎え、大展望にその場を去りがたく、5時過ぎの朝食時間を逃してしまい、朝食抜きで出立しました。次の6時の朝食を待っていては予定した午前のバスに間に合わない怖れがありました。
そして出立が遅れると、上がってくる登山者とのすれ違いでうんざりするほど待たされるのは明らかです。 私は先頭で下山しましたが、それでもなお7時過ぎには切れ目なく上がってくる登山者に捕まってしまい、思うように進めずにイライラすることもありました。
高低差1300mを一気に登る過酷な合戦尾根コース、なかには大丈夫かいな?と思わせる気楽なグループも見受けられました。

下山後、営業時間前でしたが、お願いして中房温泉立ち寄り露天風呂を独り占めし(700円)、ビールを飲んで、バスに乗り込みました。
りりしい山容・素晴らしい展望・親切な小屋の従業員、なるほど人気の山だけのことはあります。でも気ままに静かに歩きたい私には向かない山でした。

一日目;
=10:44(あずさ3号)穂高駅10:55=乗合タクシー(マイクロバス1700円)=11:45中房温泉
登山口11:50〜第一ベンチ12:30〜13:05第二ベンチ13:10〜第三ベンチ13:45〜14:20第四ベンチ
第四ベンチ14:30〜15:00合戦小屋(名物のスイカで息を吹き返す)15:25〜16:30燕山荘

二日目;
燕山荘4:10〜4:35山頂5:05〜5:25山荘5:40〜6:20合戦小屋
合戦小屋6:30〜第四ベンチ6:55〜7:20第三ベンチ7:30〜第二ベンチ7:55〜8:20第一ベンチ8:25〜8:50登山口
(中房温泉立ち寄り湯入浴)9:40=乗合タクシー=10:30穂高駅



大糸線に乗り入れる特急は季節列車を除くとあずさ3号に限られる。豊科・穂高・大町・白馬・終点南小谷(ミナミオタリ)と停車して行き、さながら登山列車の趣がある。 夏休みに入り登山客で混んでいるだろうと予想していたが、自由席には空席があった。
穂高駅では数十人が降り、そのうちの多くは登山ツアーの一団で、駅前に待機していたチャーターバスに乗り込んだ。常念へ向うのだろうか?
私は駅前に停車していたマイクロバスに乗り込む。 燕岳の登山口、中房温泉へは乗合タクシーと称する事実上の路線バスが1日4〜5便運行されているのだ。 かつてはこのような定期便はなく、文字通り乗合タクシーで中房温泉へ向う時代が長く続いた。
あずさ3号で着いた客を乗せてバスはほどなく出発した。ほとんど登山客だが席は半分空いていた。山はそれほど混雑していないのではないか?と期待を抱いてしまう。
老練なドライバーは急峻な山道を平気な顔つきで捌いて行く。深い谷を挟んで大きな有明山2268mが間近に聳え立つ。 台形の特異な山容は遠方からも目立つ。だが登山者からはソッポを向けられ、不遇の山だ。
有明荘に立ち寄ったが降車する客はなく全員中房温泉まで乗車した。到着予定時刻より5分以上早い到着だった。

登山口は公衆トイレと立ち寄り湯に挟まれた場所にあり、登山届のポストが置かれていた。
支度といってもザックを背負うだけの私は直ちに出発した。雑木林の中を水平に数十メートル行くと、たちまち急登が始まる。
傾斜は急だが概ね土の道で足場がよく歩きやすい。とはいうものの、体が登山モードに切り替わる前の急登で大変苦しい。40〜50人の中学生の一団が降りてきた。 今朝山頂を立ったのだろう。通り過ぎるのを待つには列が長すぎる。中ほどにいた先生らしき大人が後方に声を掛け列を左に寄せ通過させてくれた。 昨晩は山小屋でおおはしゃぎ、本日は山頂を立って3〜4時間歩き、疲れているはずだが皆大声で挨拶する。こちらも大きな声で返事をすること数十回、大変だが元気を貰う。 中学生の集団はその後も間隔をあけて4〜5グループとすれ違った。 クラスごとにまとまって行動しているのだろう。疲れ切った先生方の表情と比べて、どの生徒も一様に明るく元気だった。信州では中学校の登山教室が盛んなようである。

40分ほどで第一ベンチ。中学生集団とのすれ違いに手間取り、普通に歩けば30〜35分くらいだ。唯一の水場は十数メートル下った谷底なので、2L背負っている私は立ち寄らずに先に進んだ。
このコースは30〜40分間隔で休憩所が設けられていて、急勾配が続く厳しい尾根道に大変ありがたい存在である。 下から第一、第二、第三、第四ベンチ(富士見ベンチ)と呼ばれている。最上部第五ベンチとも云うべき場所が売店のある合戦小屋となる。 ベンチと云うだけのことはあって、それぞれに十数人分のベンチが木陰などに配置されていた。 私は出発時間が遅かったので休憩に時間をあまり割けなかったが、各ベンチでたっぷり休みながら時間を掛けて行動すると、思いのほか楽に山小屋へ到達できるのかもしれない。

登山口から大分登って、梢の間を振り返ると、登山口の赤い屋根が間近く望め、大分上がったつもりがまだこれだけか?!とがっかりした。第二ベンチまでは急登が連続し、その後一旦勾配は緩む。 第二ベンチの手前では荷揚げ用ケーブルの下を通過し、フル稼働している荷揚げ用リフトの行く先を眺めると、はるか先の頂に吸い込まれていく。あの辺りが合戦小屋か、溜息が出た。
第三ベンチで標高は2000mを超える。空気がひんやりとして、ほてった体に心地よい。冬季には雪が深いのだろう、周囲の杉が枝垂れている。再び急登となり第四ベンチ、その後は傾斜が楽になった。 だが、疲労は蓄積される一方で、足が前へ出ない。見計らったように合戦小屋まで10分の標識が目に入った。 この手の標識は小屋の従業員が元気な状態を基に計測しているので、10分経ても到着しない場合が多いのだ。 いずれ大分先だろうと踏んでいたところ、あっさり7〜8分で到着してしまい、大変嬉しい誤算だった。

【合戦小屋にて】
小屋のベンチでは数組が休憩しておりました。表銀座からの縦走組のようで、いずれも下山中のようです。午後も大分過ぎて、行きかう登山者は少なくなっておりました。
普段は疲れるとビール・ビールと念じる私は、今日はスイカ・スイカと念じながら歩いてきました。
安曇野のスイカは大変美味しい。まして今の私には竜宮城の大ごちそうよりもスイカです。
スイカ売りの素敵な姉さんに勧められるまでもなく、1/8カット800円、塩を多めにふりかけて、カブリつきました。 タネはプーッとトレイに吐き出して。水分・糖分・塩分を充分補給し私は生き返りました。
合戦小屋は休憩専用小屋で、夏の名物スイカの他に、ウドン・コーヒー・炭酸飲料・ビール・記念品などを販売しております。またコース中で唯一トイレが使用できます。

  


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